Guest Profile
平尾 丈(ひらお・じょう)
1982年生まれ。慶應義塾大学在学中からITベンチャーを 経営。 2005年にリクルート(現・リクルートホールディングス)に新卒入社。 06年最年少取締役として現・じげんの創業に参画。 08年に代表取締役社長に就任。 13年に東証マザーズ上場。
特集「動かす力」で送客数は日本最大級 プラットフォーマー強者の戦略
1.「動かす力」で送客数は日本最大級 プラットフォーマー強者の戦略
インターネットビジネスの世界では、BtoBtoCモデルで事業を展開する企業が少なくない。
人材、不動産、自動車、旅行などの分野を対象にプラットフォーム事業で圧倒的存在感を示しているじげんも、その一社だ。
しかし、同社の事業は他社が展開するそれとは大きく異なる。
「集める力」(ユニークユーザー数)に注力する企業が多いのに対し、じげんでは「動かす力」(アクションを起こした人数)に着目する。
同社は、既存のメディアの情報を集めてプラットフォーム化し、それをさらに細分化したテーマで垂直統合を図る。
たとえば、人材領域であれば既存の求人メディアの情報を集めてプラットフォーム化し、さらにアルバイト、転職、派遣、薬剤師など細分化したテーマで垂直統合するという考え方だ。
同社では「PonP(プラットフォーム・オン・プラットフォーム)」と呼んでいるが、このメリットについて社長の平尾丈は次のように語る。
「この仕組みは、他社と競うのではなく、共創をすることで、他社と共にマーケットを拡大していくことができる
例えば、不動産領域の「スモッカ」だと「SUUMO」や「HOME‘S」などの賃貸メディアの情報と「アパマンショップ」などの仲介情報が掲載されており、ユーザーにとっての利便性の高さから、じげんの「動かす力」がよくわかる。
同社では中期経営計画の目標数値として「トリプル25」を掲げている。
営業利益率および営業利益成長率、ROEの3つの指標で25%以上を達成し続けるというものだ。
この低くはないハードルをクリアしてしまうところに、じげんのベンチャーらしからぬ底力があるのだろう。